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刑罰とは
ニュースで「懲役○年」「罰金○万円」と聞いても、実際に何を意味するのか、なぜそうした罰が必要なのかを、改めて考える機会は多くありません。このページでは、日本の「刑罰」のしくみを、できるだけやさしい言葉で説明します。
ニュースで「懲役○年」「罰金○万円」と聞いても、実際に何を意味するのか、なぜそうした罰が必要なのかを、改めて考える機会は多くありません。このページでは、日本の「刑罰」のしくみを、できるだけやさしい言葉で説明します。
刑罰とは何か?
刑罰(けいばつ)とは、罪を犯した人に対して、国が法律に基づいて与える罰のことです。罪を犯した人を「これからは同じことをしてはいけない」と反省させ、社会のルール(=法律)を守る大切さを示すために用意されています。
ポイントは、罰を与えるのは「国(裁判所)」だけということです。被害を受けた人や家族、近所の人が、自分たちで罰を決めて与えることは認められていません。なぜなら、私的な復讐(=ふくしゅう、仕返しのこと)が認められると、社会の秩序が壊れてしまうからです。だから国家が刑罰を独占する仕組みになっています。
日本の刑罰にはどんな種類があるか?
日本の刑罰は、刑法という法律の第9条に書かれています。大きく分けると、主刑(=メインの罰)と付加刑(=主刑にプラスして科される罰)の2種類があります。
主刑(メインの罰)
重い順に次のとおりです。
- 死刑:命を奪う罰。日本では絞首刑(=こうしゅけい、首をつるして執行する方法)で行われます。
- 拘禁刑(こうきんけい):刑務所に入れる罰。2025年6月から新しく始まりました。それ以前は「懲役」と「禁錮」に分かれていました(詳しくは『拘禁刑とは』のページへ)。
- 罰金(ばっきん):1万円以上のお金を国に納める罰。
- 拘留(こうりゅう):1日以上30日未満、刑事施設(=拘置所など)に拘束される短期の罰。
- 科料(かりょう):1000円以上1万円未満のお金を国に納める、罰金より軽い罰。
付加刑(プラスして科される罰)
- 没収(ぼっしゅう):犯罪に使われた道具や、犯罪で得た利益などを国が取り上げる罰。たとえば詐欺で得たお金、密輸に使われた船などが対象。
これらに加えて、判決によっては「執行猶予(=しっこうゆうよ)」がつくことがあります。これは『○年間きちんと暮らせば、実際には刑務所に入らなくてもいいですよ』という制度です。詳しくは『拘禁刑とは』のページで説明します。
なぜ刑罰があるのか?(刑罰の目的)
刑罰には大きく3つの目的があると言われています。これは法律の世界では昔から議論されているテーマで、立場によって重視するものが違います。
(1) 応報(おうほう):『悪いことをしたら罰を受けるのは当然』という考え方
罪を犯した人には、それに見合った罰が必要だという考え方です。被害者や社会の正義感に応えるという面もあります。一番昔からある考え方で、『目には目を、歯には歯を』という古代の法律も応報の発想です。
(2) 一般予防:『他の人にも犯罪をさせないため』という考え方
罰があることで、これから犯罪をしようとする他の人々を思いとどまらせる、という効果を期待する考え方です。重い罰があれば犯罪が減るのではないか、という発想です。
(3) 特別予防(=更生):『罪を犯した本人を立ち直らせるため』という考え方
罪を犯した人を再び社会で生活できる人として立ち直らせる(=更生(こうせい)させる)ことを目的とする考え方です。刑務所での職業訓練、教育、薬物依存治療プログラムなどがこれにあたります。
現代の日本では、これら3つのバランスをどうとるかが、刑罰のあり方をめぐる議論の中心になっています。たとえば「重い罰を与えるべきだ(応報・一般予防重視)」と「立ち直りを支えるべきだ(特別予防重視)」では、結論が変わってきます。
このサイトでの『刑罰』の使われ方
本サイト『国民全員で適正な量刑について考える』では、各事件の判決を紹介する際に「懲役○年」「拘禁刑○年」「罰金○万円」「執行猶予」などの言葉が出てきます。
・2025年5月までの事件は、判決時の法律に基づき「懲役」または「禁錮」と表記しています。
・2025年6月以降の事件は、新しい「拘禁刑」と表記しています。
・量刑(=実際にどのくらいの重さの刑にするか)が妥当かどうかを、皆さんと一緒に考えるための材料として、これらの刑罰の意味を理解しておくことが大切です。