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被害者支援について
犯罪の被害にあわれた方とそのご家族を支える制度・相談先・経済的支援についてまとめます。
被害者支援とは
犯罪の被害にあわれた方とそのご家族は、肉体的・精神的な傷だけでなく、経済的・社会的にも大きな影響を受けます。日本でも近年、被害者を支える法制度・支援制度が整備されてきました。
主な制度
犯罪被害給付制度
殺人や傷害などの犯罪で被害にあい、生命や身体に重大な被害を受けた方、またはご遺族に対し、国が一時金を給付する制度です。
- 遺族給付金:殺人・傷害致死などの場合
- 重傷病給付金:重い傷害を負った場合
- 障害給付金:後遺症が残った場合
被害者参加制度(2008年〜)
殺人・傷害・性犯罪などの一定の事件で、被害者ご本人やご遺族が刑事裁判に直接参加できる制度。
- 法廷で意見陳述ができる
- 検察官の活動について意見を述べられる
- 証人尋問・被告人質問に参加できる
- 弁護士による援助(被害者参加弁護士)の制度あり
損害賠償命令制度
刑事裁判の結果を活用して、別途民事裁判を起こすことなく、加害者に損害賠償を命じてもらえる制度。
性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター
全国の各都道府県に設置。24時間または専用時間内に、産婦人科診療・心理ケア・法的支援などをワンストップで受けられます。
- 共通短縮ダイヤル:#8891(はやくワンストップ)
相談窓口
| 窓口 | 連絡先 | 内容 |
|---|---|---|
| 警察相談専用電話 | #9110 | 緊急ではない警察相談 |
| 性犯罪被害相談電話 | #8103(ハートさん) | 性犯罪被害の相談 |
| 性暴力ワンストップ | #8891 | 性暴力の総合支援 |
| 法テラス | 0570-079714 | 法的支援・弁護士相談 |
| 各都道府県の被害者支援センター | 各地 | 心のケア・付き添い等 |
民間の支援団体
- 全国被害者支援ネットワーク:47都道府県すべてに支援センター
- 犯罪被害者支援弁護士フォーラム:法的支援に特化した弁護士グループ
諸外国の状況
アメリカ — VOCA(犯罪被害者法)
- 1984年制定の犯罪被害者法により、連邦犯罪被害者基金を設立
- 犯罪者からの罰金を被害者基金に充当する仕組み
- 全米各州に被害者支援センター、メーガン法(性犯罪者情報公開)など、被害者保護の枠組みが厚い
- 補償金額は日本の数倍〜10倍
イギリス — Victim Surcharge制度
- 加害者から徴収する付加金(Victim Surcharge)が被害者支援基金の財源
- Victim Personal Statement:刑事裁判で被害者の声を直接届ける制度
- 全国組織「Victim Support」が公的支援を担当
ドイツ — 犯罪被害者補償法(OEG)
- 1976年制定の早い段階から国家補償制度を整備
- 医療・心理ケア・葬儀費用まで広く補償
- 修復的司法(Restorative Justice) が制度として取り入れられている
韓国 — 「犯罪被害者保護法」
- 2005年に包括的な被害者保護法を制定(日本に比較的近い時期)
- 性犯罪被害者への即時の医療・心理ケア
- 検察庁内に「被害者支援室」を設置
日本の課題
- 経済的補償の水準が他国と比べて低い(給付金の上限が低い)
- 修復的司法 の制度的整備が遅れている
- 二次被害(報道・SNS等)への対応がまだ不十分
- 被害者参加制度は前進したが、心理ケアの公的支援が限定的
被害者の権利は、刑事司法のもう一つの軸として、今後も議論されていく分野です。